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飲食店の食材仕入れ先まとめ。代表的な業者も紹介します

飲食店を運営する場合、食材を仕入れなくてはなりません。

食材の鮮度や質によって、提供する料理の質も変わってきます。食材は痛みやすいこともあり、早いサイクルで仕入れと販売を行う必要があります。

だからこそ、食材の仕入れ先の業者はとても重要なのです。この記事では、食材を仕入れる時に利用する業者の種類とそれぞれの特徴を解説するとともに、代表的な業者を紹介します。

また、食材を仕入れる業者を選ぶ時に考えるべきポイントも解説します。

 

飲食店の食材仕入れ先

飲食店が食材を仕入れる先としては以下が考えられます。それぞれについて解説していきます。

 

  • 卸業者
  • 通販
  • 生産者
  • 業務用専用スーパー
  • 市場
  • 小売店

 

卸業者

飲食店の食材仕入れ先_卸業者

 

食材仕入れで真っ先に思い浮かぶのは「卸業者」だと思います。現在でも、多くの飲食店が卸業者から食材を仕入れています。

卸業者は、豊富な商品が掲載されているカタログやネットのリストから必要なものを注文すると、商品をまとめて届けてもらえるというサービスです。

電話やFaxだけでなく、現在はWEBサイトやアプリから注文できるようになっている業者も多いです。

大量の食材を扱っているからこそ単価が低い、支払いや注文を一括でできるというのは、卸業者のメリットです。

また、多くの店舗や生産者と付き合っているからこそ、業界の情報に精通しており、流行や最新ニュースなどを教えてもらえます。

卸業者を利用する場合には、口座の開設や見積もりが必要だったりと手間はありますが、やはり重要な仕入れ方法といえるでしょう。

 

三菱食品

 

三菱食品は、食品卸業界で売上一位の企業です。

その名の通り三菱商事グループに属しており、三菱商事グループの食品卸会社の4社が合併してできた会社です。豊富な資本力とネットワークによって、食の分野でも幅広いサービスを提供しています。

三菱食品は食材配送サービスの「RYQUE(リクエ)」を運営しており、飲食店にとってメリットがたくさん。

食材カタログには1万点以上の商品が掲載されていて、生鮮品や冷凍食品以外にも、調味料や資材までまとめて発注できます。スマホでも注文ができるので、面倒な注文作業も楽に済ませられます。

担当営業マンがついてくれるので、カタログにのっていない商品など、細かな要望にも応えてもらえますよ。

「リクエ」はこちら

 

国分

 

国分は創業が1712年で、創業から306年の老舗卸企業です。その歴史からも多くの企業と取引をしており、35,000社の小売・外食産業に食材を卸しています。

仕入れられる食材の数は膨大で、約10,000社のメーカーから、60万種類もの商品を仕入れています。業界でもトップクラスの品揃えとが大きな強みです。

オリジナル商品の開発も積極的に行っており、「缶つまシリーズ」やオリジナルブランドの酒類などを生み出しています。

全国に関連会社や拠点があることで、各地域に根付いた物流ネットワークを構築。常温から低温、フローズン商品まで在庫から輸送まで取り扱いながらも、「ワンオーダー・ワンデリバリー」を実現し、全国中核都市へ三温度帯機能を持った「総合センター」を構築しています。

問屋 国分ネット卸」という通販サイトもあります。

「国分」はこちら

 

久世

 

「久世」は、1934年創業の食品専門卸会社です。外食産業に特化して食材を卸しており、その売上は首都圏ではトップクラスです。JASDAQ市場に上場したこともあり、経営は安定しています。

外食専門というポジションからも、外食産業で求められているものを熟知しています。

コンセプトとして「繁盛店づくりのサポート」を掲げています。食材だけでなく消耗品や資材なども幅広く取り扱い、メニュー・物流などの提案、業務の効率化や販促の支援などトータルにコンサルティングを行ってくれるので、飲食店にとっては心強い味方です。

食品安全マネジメントの国際規格であるISO22000認証を取得しており、食材の管理や品質は安全です。

「久世らくらく発注」という、ネット上から注文できるシステムがあるので発注も楽です。

「久世」はこちら

 

通販

 

飲食店の食材仕入れ先 通販

 

インターネットが発達する前までは、食材の発注は電話やFaxなどで行い、決まった卸先から仕入れていました。

しかし、現在ではネットの普及によってPCやスマートフォンで、通販サイトで購入するように簡単に発注ができるようになりました。

小ロット対応の業者も多いので、色んな会社から仕入れることも可能になっています。商品が届くまでの時間も翌日到着のサイトも増えており、タイムロスなく注文できます。

豊富な品揃えのなかから割安な価格で仕入れられる、時間を問わずに発注ができる、小ロットから配送会社を利用して届けてくれるなどのメリットがあります。

 

食彩ネット

 

「食彩ネット」は、東京証券取引所第1部に上場している株式会社サイネックスの子会社が運営している、業務用食材専門の通販サイトです。

肉類・野菜・魚介類などの食材だけでなく、調理食品や調味料、箸やおしぼり、楊枝などの消耗品、厨房用品まで取り扱っています。

安心できるメーカーから仕入れた6000アイテム以上の商品が掲載されており、国内最大級の品揃えです。

和風・洋風・中華・エスニックなど、料理のジャンルごとのカテゴリがあるだけでなく、「体の芯から温まるメニュー特集」など目的ごとの食材も探しやすいです。

最短翌日到着で、一万円以上の購入で送料が無料になります。

「食彩ネット」はこちら

 

MICREED(ミクリード)

 

ミクリードは、小規模経営や個人経営の飲食店に対して、通販で食材を提供する会社です。「ミクストア」という通販サイトによって仕入れることができます。

商品点数は約4,000点以上を取り揃え、10000店以上が利用している実績の確かな通販サイトです。

食材はバイヤーが1商品ごとに味のチェックを行っているので、品質には確かなものがあります。試食サンプルがあるので、メニューに取り入れる前に自分の舌でチェックできるのも大きなポイント。これは他のサイトにはあまりないサービスです。

小ロットで購入することができるので、個人経営のお店にもぴったりのサイトですね。

年中無休、深夜2時までの注文で翌日配送なので、深夜まで営業している飲食店にもおすすめです。6,000円以上で送料無料となるのも嬉しいポイント。

「ミクリード」はこちら

 

Mマート

 

Mマートは、2000年に設立された国内最大級の業務用食材マーケットプレイスです。

出店数は1100店を超え、12万2000店の会員が登録しており、買い手規模国内最大の食材卸売サイトとなっています。その規模もあり、Mマートは東証マザーズにも上場しています。

水産・畜産・農産だけでなく、豊富な食材を取り扱っています。仲卸を省いた価格で仕入れられるので、コスト面でも安心です。「卸・即売市場」という、安い価格で購入できる食材が販売されているページもあります。

生産者が商品ページに説明を書きこむので、より詳しい情報を知ることができます。また、業者の評価機能があるので、品質の悪い業者を避けられるのも大きなメリットです。

Mマートが販売するのでなく、あくまで出品業者とのやり取りなので、発送日や問い合わせなどの対応に差があるというところがネックでしょうか。

「Mマート」はこちら

 

生産者

 

飲食店の食材仕入れ先 生産者

 

野菜や魚、肉などは、生産者から直接購入するのもおすすめです。

インターネットの発達と、飲食店と生産者をつなぐサービス業者が増えたことで、生産者との直取引が可能になりました。

直取引によって中間マージンが省け、高い品質の食材をコストを抑えながら手に入れることができます。

ただし、すべての食材を直取引するのはコストや手間がかさみますので、お店の顔となる料理やこだわりたい食材などに絞って生産者から仕入れるのがおすすめです。

生産者から直接食材を仕入れられるサービスはたくさんありますが、代表的なものを以下で解説します。

 

SEND

 

「SEND」は、地方の生産者と首都圏の飲食店を結びつけるサービス。生産者は食材をSENDの拠点に送るだけで、首都圏の飲食店に販売してもらえます。

生産者は、適正価格で買い取ってもらえますし、受注・梱包・配送もないというメリットから利用者数が増えています。飲食店としても、SENDが配送まで行ってくれるので便利です。

常時300種類以上の季節の食材が揃っており、旬の食材を低コストで仕入れられます。すでに東京の飲食店7,500店以上が利用しています。

午前3時までの注文で365日当日配送というのも、他の仕入れ方法にはないサービスで嬉しいですね。

「SEND」はこちら

 

REACH STOCK

 

「REACH STOCK」は音楽配信事業を行う株式会社USENが運営する産直ECサービス。

「ヒトサラ」を運営することで、1万人以上の料理人とのつながりがあり、生産者の会員が増えることで取り扱い食材も増加しています。

通販サイトのように生産者が食材をこだわりと共に発信し、飲食店が購入するという仕組みです。

生産者が食材とそれにまつわるこだわりストーリーをREACH STOCKに登録し、こだわり食材を求める飲食店側がREACH STOCKで食材を探し、発注するといった仕組みになっています。

生産者のこだわりのストーリーを見ることができるので、どんな生産者がどんな想いで作っているのか、どんな特徴のある食材なのかがわかります。

「REACH STOCK」はこちら

 

食べチョクPro

 

「食べチョクPro」は、飲食店が欲しい食材を伝えると、食べチョクProのコンシェルジュが要望に合った食材を提案してくれるというサービス。

生産者と消費者を結ぶ「食べチョク」というというサイトを運営しており、生産者のことを知り尽くすことによって可能になったサービスです。

食べチョクProには、無農薬・減農薬栽培に取り組むオーガニック農家が多く登録しており、オーガニックの野菜を仕入れたい場合に便利なサイトです。

「食べチョクPro」はこちら

 

agreach

 

「agreach」は農林水産省の補助事業として構築された、生産者と卸売業者とバイヤーを閲覧できるサービスです。

このシステムに登録している生産者や卸売業者を探すことができます。卸売市場なども知ることができるので、市場で仕入れたい人にも便利です。

登録することで、生産者から直接コンタクトを得られますし、自分から問い合わせて仕入れることもできます。

2020年2月で589件の生産者が登録されています。

 

「agreach」はこちら

 

業務用専門スーパー

 

業務用専門スーパーは、飲食店などの専門業者向けのスーパーです。

豊富な品揃えがあり、大容量をリーズナブルな価格で購入することができるのが便利です。

実際に品物を目で見ることができる、大量に購入できる、珍しい食材も見つかる、そのまま持ち帰ることができるというメリットがあります。

店舗まで足を運ばなくてはいけない、店舗があるエリアが限られているというデメリットはありますが、目で商品を見れることからも、近くにある場合には積極的に利用するのがおすすめです。

 

メトロ

 

「メトロ」は、ドイツのメトログル−プが運営する業務用専門スーパーです。現在では関東圏にのみ店舗があります。

飲食店などプロ向けのスーパーであり、会員登録をしなければ購入することができません。会員登録には飲食店の営業許可証が必要となります。

生鮮品、業務用精肉から日用品、厨房器具まで約12.500品目と幅広く取り揃えています。珍しい野菜も多く、大容量で低コストで購入できるのが魅力ですね。肉はほぼすべての部位を取り揃えており、キロ単位で購入できます。

お酒に関しても種類は豊富で、ワインのソムリエがいるので、細かな提案を受けることができます。

「メトロ」はこちら

 

業務スーパー

 

「業務スーパー」は食品卸の神戸物産が運営している、一般の人も入れる業務用専門スーパーです。

全国に店舗があり、業務用専門スーパーとしてはもっとも大きなチェーン店です。大容量、ロープライスで商品を購入できます。

常温・冷凍商品など賞味期限の長い商品をメインのラインナップとしており、生鮮食品は扱っていません。調味料や加工食品などを購入するのにおすすめです。

業務スーパーはフランチャイズ展開をしており、店舗がどんどん増えており、より身近に利用できそうです。

「業務スーパー」はこちら

 

アミカ

 

アミカとは、東京・愛知・岐阜・三重・静岡・滋賀・福井など東海地方を中心に展開している業務スーパーです。

こちらは会員制ではなく、一般の人も購入できます。プロが厳選した約6000点以上の商品を販売しており、その品質には定評があります。

商品の使い方や特徴なども、商品知識が豊富なスタッフが丁寧に教えてくれるので安心です。

「アミカ」はこちら

 

市場

 

飲食店の食材仕入れ先 市場

 

どの県にも中央市場があり、各地から多くの食材が集まります。鮮度もよく、種類も豊富なので、飲食店を運営しているなら一度は訪れたいもの。

長年の目利きの経験がある仲卸さんが選んだ食材を選ぶことができます。仲卸さんから、色んな話を聞けるのもうれしいポイント。

魚市場の場合、魚があがったばかりの早朝が主なやり取りの時間だったり、週に2日くらいは休場日があるので、その時間帯に合わせないといけないというのはデメリットでもあります。

旬の食材や目玉料理に使う食材は市場で仕入れるというのは、ひとつの方法です。また、「市場に行って仕入れている」という宣伝はお客さんにとって強いアピールになります。

 

小売店

 

飲食店の食材仕入れ先 小売店

 

地域の八百屋さんや一般の人も利用するスーパーといった小売店は、全国各地で近場にあって便利です。家庭で使う一般的な食材なら、大体仕入れることができるのが魅力です。

ただ、飲食店が仕入れるには合わないともいえます。というのも、配送サービスがないお店が多い、かけ払いができない、

一般向けの価格なので価格が安くない、といった点が飲食店に向いていないからです。

ただし、近場にあるというメリットから、営業中に足りなくなった食材を買うなど、応急処置的に利用するのにはいいでしょう。

 

食材を仕入れる業者選びの注意点

 

原価を計算しよう

原価を計算しよう

 

食材を仕入れる前にはメニューを考案しますが、そのメニューに必要な食材を全て洗い出します。

原価率はある程度設定することになるので、各食材にかけられる原価が決まります。それらの食材を費用内で購入できる仕入れ先を選択しましょう。

ただ原価を抑えることばかりを考えてしまうと、品質を下げることになってしまうので注意が必要です。

 

品質をチェックしよう

 

食材を仕入れるときには、その味や品質をしっかりと確かめないといけません。品質は提供する料理に大きく影響するからです。

そのためには、実際に食べてみる、仲卸業者の意見を参考にするなどの方法があります。

その点では、市場や生産者は訪ねて食べることができるのでよいでしょう。ただ距離が遠い場合などには難しいです。

卸業者や通販サイトでは試食サンプルがある業者もあるので、そのようなサービスを行っている業者を選びましょう。

 

あらゆる仕入れ先を組み合わせよう

 

食材を仕入れる時には、楽だからといって1つの仕入れ先からすべての食材を仕入れてしまうと、他店との差別化ができません。

評判になるような味を実現できなかったり、よい素材ばかりを仕入れるとコストがかさんでしまいます。

この双方の悩みを解決するためには、仕入れ先を適材適所で選択する必要があります。以下のような工夫ができるでしょう。

 

  • お店の看板メニューにしたい料理に使う食材は、生産者から産地直送の素材を購入する
  • つまみや汎用的なメニューは価格を抑えるために大量生産品を卸業者から購入する
  • 野菜はその地域でとれた鮮度がよく、価格の安いものを利用する
この記事の執筆者
CAROT運営事務局

キャロットは飲食店や食品事業者様を対象にコンサルティング支援を行っております。事業の企画段階からメンバーとして参画、その後の成長までお手伝いすることができます。

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