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飲食店の人手不足の原因と、人手不足を解決する方法を「データ」から解説

人手不足に陥っている飲食店は、他の業界に比べて圧倒的に多くなっています。あなたのお店も人手不足で困っているのではないでしょうか?

人手が足りないと、お客様に満足のいくサービスを提供できないですし、スタッフひとり当たりの労働量が増えてしまいますよね。その結果、お店の経営に大きなマイナスを与えてしまいます。

このような人手不足の問題を解決するためには、人手不足が起こる原因をしっかりと知る必要があります。

今回は、あらゆるデータを元に人手不足が起こる原因を読み解き、解決するための方法を考えてみようと思います。

 

データから見る飲食店の人手不足

データから見る飲食店の人手不足

飲食店の人手不足はどれくらい起こっているのでしょうか?まずは、データで正確な数値を把握しましょう。

飲食店の人手不足は非正規社員が不足している

帝国データバンクの『人手不足に対する企業の動向調査(2019年10月)』によると、78.3%の飲食店が非正社員が不足していると感じているという結果になりました。

一方、正社員の不足に関しては10位以内に入りませんでした。つまり、8割近い飲食店が非正規社員の不足に困っているのです。

業界全体で人手が不足しているので、人手不足を感じているのはあなただけでないということを知っておきましょう。その分、求人採用は厳しくなります。

また、平成30年の農林水産省のデータによると、離職率は全産業が32.2%であるのに対し、飲食サービス業は50.2%と圧倒的に高いです。

「人員が足りないため」所定外労働が発生してしまっており、所定外労働が多いことで、さらに離職率が高まるという悪循環に陥っていると考えられます。

しかも、「人員不足のため過重労働への対策を取ることができない」という割合が最も多くなっており、改善の見込みがない状態だといえます。

 

人手不足の職種は?

また、「求人@飲食店.COM」の求人データによると、2014年の首都圏の飲食店で最も人手不足だった職種は、「サービス・ホール」であり、求人全体の29.8%だったとのこと。

このデータからは、サービス・ホールスタッフの採用に苦しんでいるということがわかります。サービススタッフが不足していると、飲食店の運営自体が難しくなってしまいます。ちなみに調理スタッフは26%でした。

ここからは、このような飲食店の人手不足を解決するための方法を考えていこうと思います。

 

飲食店の人手不足の原因とは

飲食店の人手不足の原因とは

人手不足を解消するためには、なぜ人手不足が起こっているかを正確に把握しなくてはなりません。非正規社員から、なぜ飲食店が避けられるかを知らなくてはならないのです。

ここでは、飲食店に人手が集まりにくい原因を解説します。

 

労働環境が悪い

過労自殺が問題となった「ワタミ」など、飲食業界というのは労働時間が長い印象がついています。

国による『過労死等の現状』の、「平成 27 年度脳・心臓疾患の請求件数の多い業種」で4位、「平成 27 年度脳・心臓疾患の支給決定件数の多い業種」で3位と、いずれも高い順位に入っています。

これらから、実際に労働環境が過酷であるということがわかります。

また、深夜労働や休日労働をした場合には割増賃金を払わらなくてはなりませんが、それが通常の賃金のままということもあります。

このように労働環境が悪いというイメージが定着してしまったことで、アルバイトが働くのを避けているのだと考えられます。

 

給与が低い

「リクルートジョブズ」が出している、「アルバイト・パート募集時の平均時給の調査レポート」によると、飲食業界は確かに他の業界よりも給与平均が低い結果となっています。

近年、飲食店のアルバイトの給与は上がってきていますが、それでもまだまだ低いのが現状です。

特に、給与の高さを気にする若い世代では、給与が低いことから人手不足が起きていると考えられます。

 

仕事内容

仕事内容の面でも、飲食店というのは敬遠される傾向にあります。

マイナビバイトによる「飲食バイトで働く人の本音大調査」の、飲食店でのアルバイトのイメージでは以下となりました。

 

  1. 接客が難しそう
  2. 忙しそう
  3. 体力を使いそう
  4. マニュアルを覚えるのが大変そう

 

このように、仕事内容に対してネガティブな印象を持たれているので、アルバイト先として選ばれず、それによって人手不足になっていると考えられるのです。

すぐに辞めてしまう

飲食店のアルバイトは入れ替わりが激しいといえます。勤続年数をみてみましょう。

飲食店.COMが行った調査によると、約70%が2年以内に辞めています。

学生やフリーターが多いので、勤続年数が短いのは仕方のないことではあります。しかし、あまりにも短いと人手不足を起こしてしまうので対策が必要です。

では、辞める人はなぜ辞めてしまうのでしょうか?その原因を探ってみましょう。株式会社ROIの「飲食店でのアルバイトを辞めた理由についての調査」では、以下のような結果となりました。

 

  1. 仕事内容が大変だった:36%
  2. 成長を実感できない環境だった:20%
  3. バイト同士の人間関係が良くなかった:19%
  4. 仕事にやりがいがなかった:18%
  5. 責任のある仕事を任せてもらえなかった:7%

 

これらの原因を減らすことで、アルバイトに長く働いてもらえるでしょう。

 

新型コロナウイルス

また、2020年の新型コロナウイルスは、飲食業界に大きな打撃を与えました。

飲食業というのは接客が必要なので、コロナウイルスに感染する可能性があります。

カラオケや飲食店からコロナウイルスに感染してしまった人がいたことからも、飲食店がアルバイトの候補から外れたことは確かでしょう。

アルバイト希望者がウイルスへの感染を避けて、飲食店へ応募をしなくなったといえるのです。

 

人手不足を解消するには求職者のニーズが大事

ここまで、飲食店が人手不足になる原因を見てきました。これらの原因を解消しながら、企業はサービススタッフや調理スタッフを採用するために、より採用に力を入れなくてはなりません。

スタッフ募集に応募してもらうためには、応募者のニーズを把握することが大事です。応募者の心理に関するデータを見ていきましょう。

 

飲食店志望者の心理データ

働く飲食店を探している非正規社員は、お店選びでどんなことに注目しているのでしょうか?

「アルバイトレポート」による2,541名へのアンケートでは、アルバイト選びで最も重視するポイントとしては以下となりました。

順位 重視するポイント 高校生 大学生 フリーター 主婦(夫) シニア
1 給与が高い 25 23 18 18 15
2 時間の融通がきく 21 21 19 23 16
3 勤務地が自宅から近い 16 18 20 24 22
4 自分にもできそう 22 17 18 24 18
5 交通費が支給される 17 19 20 21 23
6 仕事内容に興味がある 20 17 19 24 21
7 店長や社員・同僚の人の
雰囲気がよい
23 20 18 22 17
8 1日の働く時間が短い 18 16 17 23 26
9 やりがいがある 25 17 18 20 20
10 お店・職場がきれい 31 18 14 21 16

このデータを見ると、求職者の年代ごとに重視することが異なることがわかります。

高校生はきれいでおしゃれなお店を重視しており、次いで給与とやりがいを求めています。そして、大学生は給与の高さと時間の融通とスタッフ同士の雰囲気を重視します。

フリーターは距離や交通費などを重視し、主婦やシニアなどは1日の勤務時間と時間の融通を重視するようです。

求人の際には、あなたのお店のターゲットに合わせたスタッフを採用する必要があります。若い人向けのお店であれば若年層のスタッフを採用した方がいいですし、高齢者向けの場合はシニア層を採用した方がいいでしょう。

そして、それぞれのスタッフが重視するポイントを改善することで採用ができ、人手不足を解消できるのです。

 

飲食店の人手不足を解消する方法とは?

飲食店の人手不足を解消する方法とは?

ここまでのデータでみてきた、飲食店の人手不足を起こす原因と、求人応募者のニーズに対応することで、人手不足対策ができます。

まとめると以下のようなポイントになります。ぜひ積極的に取り組んでみましょう。

 

  • 労働環境を整える
  • 給与を上げる
  • 仕事内容を簡単にする
  • 教育体制を整える
  • やりがいや成長の実感を作る
  • 人間関係を良好に保つ
  • 新型コロナウイルス対策をする
  • 店内はきれいにする
  • 勤務時間に融通がきくようにする

 

人手不足を補うための各ポイントについて解説していきます。

 

内装や店内はきれいにする

若年層などは、おしゃれできれいなお店で働きたいと思うもの。若い人がターゲットなのであれば、内装にある程度こだわる、店内の清掃をしっかりと行うなどしましょう。

若年層だけでなく、店内のきれいさというのは、すべての人が気にすることです。なるべく清掃を徹底するようにしましょう。

トイレや排水溝のグリストラップなどの掃除なども重要です。

 

勤務時間に融通がきくようにする

学生や主婦、シニアのアルバイトは、勤務時間に融通が利くことを重視します。

短時間の勤務、長期間の休暇、少ない勤務などにも対応するようにしましょう。

その分、人数を採用しなくてはならない可能性がありますが、人手不足を解消するためにもまずは応募してもらえるように幅を持たせましょう。

 

労働環境を整える

いわゆるブラック企業といわれるような過酷な環境ではないのかと、応募者は考えている可能性があります。

長時間勤務やワンオペなど、労働者の心身に対してダメージを与えることを行わない体制を整えましょう。

労働基準法に準拠していることを明示するなど、健全であること、危険性がないことをアピールしましょう。

また、厳密にいえば着替えの時間なども労働時間に含めるのが正しいです。そういった体制にするようにしましょう。

 

給与を上げる

アルバイトにとって、給与は大きな動機になります。給与が低いと他の店舗と比較されて、他店に応募してしまいます。

最低でも周辺地域や同規模、同ジャンルの店舗と同じ給与を出すようにしましょう。

また、単純な給与以外にもまかないや福利厚生、プレゼントなど、なにかメリットを与えられないかを検討するのもよいでしょう。

 

仕事内容を簡単にする

「忙しすぎる」ということも、飲食店が敬遠される理由のひとつです。ひとりへの負担が増えすぎないように工夫をするのが大事です。

最低でも●人が働くので、ひとり当たりの仕事が増えないという体制にしてアピールするのもよいと思います。

仕事の作業自体を簡略化する、ツールや機械を導入して、作業を減らすという事も考えられます。

また、接客に抵抗を感じる人も多いようです。その抵抗を減らすためにも、マニュアルを完備したり、研修を用意したり、タブレットを導入しているので接客が少ないと説明するのもよいでしょう。

 

教育体制を整える

飲食店で多いのが、とにかくやって覚えて、という教育です。あまり細かく教える前に接客をさせる、などの体制です。

たしかに、実際にやってみないと人はできるようになりませんが、あまり早くに任せてしまうと、スタッフは不信を感じてしまいます。

しっかりと、正社員か先輩社員が教えるという体制を取るようにしましょう。

 

やりがいや成長の実感を作る

働くことにやりがいや成長の実感が持てるかというのは、働くうえで重要です。やりがいや達成感がないと、仕事をしていても楽しいと思えないのです。

そこで、やりがいを持てるような仕組みを作りましょう。例えば、表彰やサンクスカード、レベル制度、イベントを行う、飲み会を開くなどが考えられます。

また、正社員がマネジメントを学ぶ、教育カリキュラムを作るなど、スタッフに対してフィードバックし、成長を実感できるようにするのも大事でしょう。

 

人間関係を良好に保つ

やはり人は、人間関係が良好な職場で働きたいものですよね。

正社員は、しっかりとコミュニケーションをとって、常に職場が明るい雰囲気になるように工夫するのがよいでしょう。

また、掛け声なども活用して、明るい声を常に出すようにするのも有効です。

適宜、アルバイトのなかでも、リーダー的な人に話を聞いてみるというのもよい方法ですね。

 

新型コロナウイルス対策をする

新型コロナウイルスに対しての対策はとても大事です。スタッフには、コロナウイルスに感染するリスクを負いながら働いてもらうことになるので、万全以上の対策をしなくてはなりません。

お客様には必ずアルコールでの手洗い、体温検査、ソーシャルディスタンスの徹底、換気、店内のアルコール消毒など、完璧に対応をするようにしましょう。

また、マスクを支給して、接客中もマスクの着用を徹底する必要があります。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?飲食店の人手不足を、客観的なデータと非正規社員の心理データから分析してみました。

飲食店の人手不足はこれまでも慢性的に起こってましたが、新型コロナウイルスによってさらに深刻化することが考えられます。

ただ求人広告を増やすだけでなく、ITツールを導入する、デリバリー事業にシフトする、予約制にするなど、様々な対応が考えられます。工夫しながら人手不足に対応するようにしましょう。

この記事の執筆者
CAROT運営事務局

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