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飲食店の人件費高騰&慢性的な人不足の対抗策。他のコストでカバーし、利益を確保しよう!

飲食店は人不足の代表的な業種です。アルバイトを採用しても、すぐに辞めてしまうことがあります。

その一方で、東京都と神奈川の最低時給が1000円を超えました。

人件費負担は増加の一途で、「これからどうして行けばいいのか」と頭を抱えているお店も多いのではないでしょうか?

人を効率よく使うというのにも限界があります。

それであれば、人以外のものにコストを使うことで、人件費をカバーすることを考えるほうが効率的かもしれません。

今回は、人件費を他のコストに振り替えて経費の効率化を図る方法を考えていきます。

 

最低時給1000円越えの衝撃は大きい


人件費はずっと右肩上がりで、不景気のときも上がり続けていました。

「このまま行けば、いつの日か来る」と分かっていた時給1000円越えの日。

それでも、実際に1000円を超えると、計り知れない衝撃を受けたという人も多いのではないでしょうか。

 

個人的には、最低時給が935円当時は950円などと切りのよい数字にしていたところが、

今では最低時給そのままの金額にして募集しているケースが増えていると感じています。

もう、切りのよい数字にする余裕すらないということかもしれません。

 

それに加え、労働市場は求職者優位の時代になっています。

そのため飲食業界は、人不足が慢性化。

しかも、社員の負担が増えればブラック企業と言われるため、公休はもちろんのこと、

有給休暇も積極的に取らせなければならず、シフト作りに頭を痛めている担当者も多いですよね。

 

こうなると人件費の負担をこれ以上、増やすわけにはいきません。

これまでの飲食店は、とりあえず人の力でカバーするという風潮がありました。

でも、そんなことは言っていられません。

他のものでカバーできるのであればその方が、効率がいいと、実際に動き出した店舗があります。

 

 

人件費を減らす可能性が高いもの

 

 

では、人件費を他に変えられるものを具体的に見ていきましょう。

中には、数年前ならムダ使いと言われていたものも含まれます。

確かに以前はそうだったかもしれませんが、今ではこの方が安くなっているのです。

 

什器の入れ替え


効率よく動く什器に入れ替えることで作業効率を上げれば、一度に働く人数を減らすことができます。

例えば、冷蔵庫の台数を増やし、必要なものがその場に揃っている状況を作れば、

商品提供にかかる時間は短縮されます。

また、最新式のマシンに変えることで、日々の片付け作業が楽になるということもあります。

 

例えば、ある什器が12万円するとします。

これは店舗にとっては決して安い負担ではありません。

ですが、什器は数年もちます。仮に3年とすると、月々の負担は3000円ちょっと。

毎日の清掃作業に30分かかっていたとしたら、月間で短縮できるのは15時間。

比較すればどちらの方が安くつくのかは、一目瞭然のはずです。

 

レジシステムの入れ替え

 

人件費の効率的な使い方では、レジシステムの入れ替えも有効な手段です。

例えば、オーダー票に手書きで書いていたものを、ハンディターミナルで入力し、

それをキッチンディスプレイに表示させるように変更すればオペレーションが効率化されます。

 

専用システムを導入すると費用はかかりますが、

今は市販されている飲食店専門のシステムを使えば、ある程度のことができるようになっています。

 

また、ハンディターミナルはスマホで代用でき、キッチンディスプレイはタブレットを使うことができます。

こうしてピーク時に働く人を一人でも減らすことができれば、導入コストは完全にカバーできます。

さらに、オペレーションの効率化により、お客様の満足度を上げることもできるでしょう。 

 

清掃の外注化


飲食店は清潔感がなければお客さんは来ませんが、だからといって清掃作業をすべてスタッフがやる必要はありません。

特に、定期メンテナンスに属する部分は、外注化できます。

レンジフードやエアコンフィルターの掃除、グリストラップの定期清掃などがそれらに当たるでしょう。

 

飲食店の中には、無用な残業をさせないために、毎日やる営業終了後の片付けを外注化しているところもあります。

スタッフが担当するのは売上の管理だけ。

営業時間終了とともに、外注スタッフにバトンタッチし、戸締りも頼みます。

これまでの考え方では、本来なら人件費の方が安いかもしれませんが、

基本給の高い店長や社員が深夜勤務帯に残業して作業すると考えると外注化した方が安いという考え方だそうです。

 

バックオフィス機能の外注化

 

店長やスタッフにはさまざまな雑務があります。

その中には、小口現金出納帳への記載や、必要書類をそろえるといったバックオフィス業務があるはずです。

これらの作業は、店舗で働く人にとっては慣れない作業であり、

必要以上に時間がかかり、ストレスにもなっています。

これらを外注化すれば、人件費はもちろん、ストレスからも開放されます。

 

マニュアルの電子化

 

マニュアルが大切なことはわかっていても、電子化までは手が回っていないというところが多くあります。

しかし、マニュアルを電子化しておけば、アルバイトは事前に情報を得られるだけでなく、

なんとなく記憶が曖昧・・・ということも復習することができます。

こうすれば作業効率が上がるだけでなく、 正しい商品の提供も可能になりますよね。

 

マニュアルの電子化と言うと、「セキュリティが心配」という人もいますが、

結局はアルバイトが写真を撮って独自のマニュアルを作っていたり、外部でしゃべったりしていることもあります。

 

それであれば、誰もが知っているべき情報だけでも電子化し、

パスワード管理する方がよいと考える方が、今の時代に合っているのかもしれません。 

 

まとめ

 

人件費は今後も上がり続けることは間違いないでしょう。

こうなると店舗が利益を生み出すには、人件費を少しでも安くすること考えなければなりません。

短期的に考えれば費用がかかることでも、長期的に見ればその分の人件費がかからず、

経費的メリットが高いというものも多くあります。

何でも人でカバーするのが飲食店という時代は終わりました。

人件費を他の費用に振り替えるのが、今後の飲食店の成功につながるのかもしれません。

この記事の執筆者
CAROT運営事務局

キャロットは飲食店や食品事業者様を対象にコンサルティング支援を行っております。事業の企画段階からメンバーとして参画、その後の成長までお手伝いすることができます。

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