Blog

ブログ

ハウスルールの作り方を解説!飲食店が気をつけるべきポイントまとめ

飲食店においては、社員やアルバイト、パートなど様々な立場の人が働きますし、ホールやキッチン、ドリンカーなど、職種も異なります。

そんなお店においては、ルールを定めておかないと業務に支障をきたしてしまいます。そこで、スタッフが円滑に仕事をし、お客様に最高のサービスを提供するためのルールとして「ハウスルール」というものがあります。

ここでは、飲食店の経営者や店長さんに向けて、飲食店のハウスルールの効果や作り方を解説するとともに、従業員が従わないことも多いハウスルールを定着させるための方法を解説します。ぜひ参考にしてみてくださいね!

ハウスルールとは

ハウスルールとは、元々、特定の地方や場所、組織、団体、状況などでのみ適用されるローカルルールや地方ルールのことを指しました。それが転じて、「店舗のなかで独自に作られたルール」として定着しています。

飲食店においては、お店のなかでスタッフたちが守るルールのことを指します。例えば、髪型やピアスに関する決まりから、喫煙ルール、出退勤時の挨拶、トイレや休憩の呼び方、お客様への接し方まで、様々なものがあります。

ハウスルールの目的としては、スタッフが気持ちよく働け、モチベーションを上げ、サービスの質を高めることです。

飲食店のハウスルール例

飲食店のハウスルールにはどのようなものがあるでしょうか。実際に店舗で利用されているハウスルールの例を紹介します。

飲食店のハウスルールにはどのようなものがあるでしょうか。実際に店舗で利用されているハウスルールの例を紹介します。

環境のルール

ハウスルールには、環境や設備に関するルールがあります。共用の場所の使用方法などのルールは、多くの人が働く飲食店では必須です。以下のようなものがあります。

  • 休憩室の使い方
  • 荷物を置く場所
  • 更衣室
  • ごみ捨て当番
  • 食事のルール
  • 喫煙のルール

 

仕事のルール

ハウスルールには、勤務時、つまり仕事中のルールもあります。勤務中はスタッフ全員がそのルールに従うことで、より円滑かつ、効率よく仕事が回るようになりますし、サービスの質も上がります。以下のようなものが一般的ですね。

  • 身だしなみ
  • 挨拶
  • 出退勤の決まり
  • 私語
  • 掃除
  • 声かけ

 

考え方のルール

ハウスルールのなかには、行動だけでなく考え方や思考方法を定めたものもあります。お客様に対して、どのような考え方でサービスをするのか、という根本の考え方を定めるのです。

この根本の部分のルールがしっかりと作られていると、従業員はお客様へサービスをするときに、何をすればいいか迷うことがなくなります。

例えば、リッツカールトンホテルのクレドには、「リッツ・カールトンでお客様が経験されるもの、それは感覚を満たすここちよさ、満ち足りた幸福感そしてお客様が言葉にされない願望やニーズをも先読みしておこたえするサービスの心です。」という言葉があります。従業員はこれに従う限り、どのようなサービスでも行うことができます。

飲食店においても、お客様に対してどのような考え方やポリシーで接するかを定めるのが大事です。

その店舗ならではのルール

ハウスルールは、お店独自のルールのことなので、店長や従業員が自分で決めたものを採用することができます。

中には、以下のように他のお店にはないユニークなルールもたくさんあります。こういったルールのなかには、スタッフのモチベーションを上げるものもありますし、スタッフ同士のコミュニケーションを促進するものもあります。

  • お客様の初めの乾杯の音頭を取る
  • ランク分けされていて、仕事ができるようになると名札に役職を書く
  • 名札にあだ名や自己紹介を書く
  • まかないをスタッフが作り、評価の高かったものをメニューに
  • 系列店との飲み会を定期的に開催
  • まかないを食べたあとには、その感想を詳細に伝える
  • マナー講習に参加可能
  • 営業終了後にお酒を1杯だけ試し飲みして味を知ることができる

 

ハウスルールの効果

飲食店がハウスルールを作ることで、どのような効果が得られるのでしょうか?

ハウスルールのメリットを解説しておきますので、これらの効果を得たいお店はハウスルールを取り入れてみましょう。

サービスの質が向上する

ハウスルールによって、お店のポリシーや接客で気をつけることを明確にすることで、スタッフは何をすべきかがわかります。

それによって、意識が高まり、提供するサービスの質を向上することができます。料理に関してもハウスルールを定めることで、料理の質を上げられます。

人間関係が良くなる

ハウスルールでスタッフのコミュニケーションを活発にすることで、スタッフ同士の理解が深まります。

スタッフ同士が理解することで、チームワークが生まれ、営業中の助け合いや連携プレーが生まれます。

休憩時間を取る人の組み合わせや、チーム編成などにハウスルールを作ってみるとより効果が発揮されるでしょう。

スタッフのモチベーションが上がる

ハウスルールのなかに、スタッフのメリットにつながるものがあれば、モチベーションを上げることができます。

何かをもらえる、楽しい体験ができる、成長につながるなどのハウスルールによって、スタッフのモチベーションを上げられ、離職率を下げることができます。ハウスルールは、離職率を下げる効果があるので、人材不足の店舗に特におすすめです。

また、掃除のハウスルールによって店舗をきれいに保てるという効果もあります。

ハウスルールの作り方

ハウスルールの作り方

ただ、こういったハウスルールを作ろうと思っても、いきなり作るのは難しいですよね。

どうやって作るのか、何を基準につくるのがよいかを知っておかなくては、ただスタッフが面倒だと非効率なルールになってしまいます。

以下のポイントに注意しながらハウスルールを作るようにしましょう。

ポリシーが明確である

飲食店でハウスルールを作るときには、自分のお店のポリシーやモットーを明確にするようにしましょう。

何を大事にするか、どういったポリシーを持ってサービスを提供するのか、を明確にするのです。このポリシーはすべての根本の部分であり、飲食店で接客をするとき、調理をするときなど、すべての仕事での態度を決めるものです。

これを示すことで、スタッフは何を基準にサービスを提供すればいいのかがわかります。まずは、お店のポリシーをルールで定めるようにしましょう。

スタッフの自由を奪わない

仕事においてスタッフのモチベーションを下げるものとして、「裁量権がない」「自由がない」ことが挙げられます。

ハウスルールによってスタッフの仕事を制限したり、スタッフが自分で考えて動けないようにルールでがちがちに縛るのは悪影響を与えますので注意しましょう。

経営者や店長は、ルールによってスタッフがおかしなことをしないようにしたいかもしれませんが、あまりルールで縛ってしまうとスタッフのモチベーションが大きく下がります。結果、お店のサービスの質が低下するので、むしろマイナスとなってしまうのです。

ハウスルールを作るときには、スタッフの自由や権限を制限しないようなルールにしましょう。

成長を感じさせる

人がやる気を出す大きなきっかけは、「成長」を感じられたときです。「こんなことができるようになった」「褒められた」「人のためになれた」と実感できるからこそ、より頑張ろうと思えるのです。

ですので、飲食店のハウスルールにも、このように成長を実感できる仕組みを取り入れましょう。

例えば、ランク分けをしておき、各仕事をできるようになったら役職を与え、バッジや名札でわかるようにする、新人の教育を任せて責任感を持ってもらうなどです。

一般の企業でもよく利用されるのは「サンクスカード」です。他の従業員が、助けられたことなどに感謝のメッセージを書くというものです。こういったルールを利用することで、スタッフのモチベーションを上げるようにしましょう。

人間関係を作るルール

仕事へのモチベーションを上げるには、人間関係が重要です。人間関係がよいとモチベーションが上がりますし、職場での会話も増えストレスをためこむこともなくなります。

それによって、居酒屋のスタッフの離職を減らすことができます。人間関係がよいと笑顔で接客ができますし、サービスの質が上がります。仕事が楽しくなるので、離職率も下がります。

ハウスルールを作るときには、スタッフ同士のコミュニケーションが深まるようなルールを取り入れましょう。

シンプルにする

ルールは多すぎたり複雑すぎたりすると、従業員が混乱してしまいますし、ストレスを感じてしまいます。

ルールを守るのが面倒になるだけでなく、職場自体をやめたくなることがあります。

ルールは多すぎず、シンプルで具体的かつ柔軟性がなくてはなりません。「絶対にこうしなければいけない」というルールではなく、「こういう考え方で行う」のようにある程度柔軟性を持たせたものにしましょう。

ハウスルールを定着させる工夫

ハウスルールを定着させる工夫

人間は基本的にルールで縛られるのを嫌います。「〜しなければならない」と行動を制限されると、負担に感じて抵抗したくなりますよね。

ハウスルールというのは、従業員に対して行動を制限する、強制することなので放置していると定着せず、気づいたら誰もやっていない、という事態になってしまうかもしれません。

そこで、飲食店でハウスルールを定着させるための工夫が必要になります。

ゲーム化する

飲食店においてハウルルールを定着させるために有効なのは、「ゲーミフィケーション(ゲーム化)」の考え方です。

ゲーミフィケーションとは何かというと、「ゲームに使われている構造を、別の分野に応用すること」です。例えば、スーパーなどのポイント制や、会員サイトでレベルアップしていくようなものです。

ハウスルールを定着させるためのゲーミフィケーションというのは、具体的には達成したら何か報酬を作る、表彰する、目に見える形にするなどがあります。

ハウスルールをどれだけ守れたか、ハウスルールの理解度、徹底度によってレベルアップをしたり、毎日ポイントを与えて一定のポイントを与える、お客様アンケートによってポイントを与えて昇給する、などが考えられます。

こういった工夫をすることで、スタッフのハウスルールへのモチベーションを高めながら定着させることができるのです。

定期的にハウスルールを見直す

ハウスルールは定期的に見直すのが大事ですし、従業員も交えて見直す機会を作るのがよいでしょう。というのも、スタッフが従うべきハウスルールは、その時々で変わってくるからです。

例えば、コロナによって新しく追加すべきルールも出てきたでしょうし、実はスタッフやお客様に不評だったというルールもあるでしょう。

上からハウスルールを作って従わせるのではなく、一緒に意見を出し合ってハウスルールを考えることで、スタッフも主体的にハウスルールに関わることができます。自分で納得して決めたハウスルールであれば、守りやすくなりますし、定着しやすいといえます。

ハウスルールを定着させるという意味も込めて、ぜひハウスルールを定期的に見直して話しあう場を作るようにしましょう。

まとめ

飲食店のハウスルールの意味や例、作る時に気をつけるポイント、店舗に定着させるための方法を解説してきましたが、いかがでしたらでしょうか?

飲食店でハウスルールを作るのは、とても大事な工程になります。このルールによって、お店の色が出るともいえるかもしれません。

スタッフが楽しく働けるか、良いサービスができるか、スタッフを成長させることができるかもハウスルールにかかっている部分でもあります。

飲食店はハウスルールをしっかりと考えて、スタッフに定着させるようにしましょう。

この記事の執筆者
CAROT運営事務局

キャロットは飲食店や食品事業者様を対象にコンサルティング支援を行っております。事業の企画段階からメンバーとして参画、その後の成長までお手伝いすることができます。

お問い合わせ

今のお悩みや課題について、お話を聞かせてください。
食ビジネスに知見のある専門コンサルタントがお客様との対話を通じて有効な問題解決を探ります。