飲食店が雨の日にすべきサービスを場面・種類から解説
飲食店の売上が落ちる雨の日には、独自のサービスをすることで集客をしていくのが大事です。
でも、どんなサービスをすればいいかわからない、というお店も多いと思います。
ここでは、飲食店の雨の日サービスのヒントを紹介します。
Contents
雨の日の飲食店は大変
飲食店にとって、雨の日というのはやっかいですよね。人通りも減りますし、集客も減ってしまいます。
2017年のデータによると、1年のうち雨の日が最も多いのは富山県と石川県で、174日もあったそうです。東京でも115日、大阪でも119日あったそうです。
つまり、日本海側では1年の約半分が雨天で、東京や大阪でも約1/3が雨なのです。
だからこそ飲食店は、しっかりと雨の日対策を考えておくのがおすすめです。
雨の日でも飲食店に行くシチュエーションって?
あなたが雨の日に飲食店に行くシチュエーションはどのような時ですか?そもそも、雨の日は外に出ないですか?
たしかに外食する確率は減りますが、雨の日でも外食することがあると思います。
そんなシチュエーションを考えることで、雨の日にすべきサービスのヒントが見つかるかもしれません。
雨の日に飲食店に行くシチュエーションを考えてみます。
予約をしてしまっている時
恋人との食事では、「外出をやめて家で食べよう」となることがありますが、わざわざキャンセルする手間を嫌がる人も多いです。
また、友人との食事の日程を決めて予約をしている時は、雨だからといってキャンセルすることは少ないでしょう。
ただお客様は、雨の日に行くのは面倒という気持ちがあるのは確か。
そんな日に来店してくれたのだから、感謝を伝えたり、雨の日の特典をプレゼントするのもよいでしょう。
記憶にも残りますし、リピーターになってくれるかもしれません。
家で料理が面倒な時
休日など、雨の日に食材を買いに行って、料理をするのが面倒という家族もいるはず。
そんな家族は、家の周辺のお店に行くことが多いのではないでしょうか。
家族での食事では、できればお金を節約したいですよね。
だからこそ、家族向けのクーポンやお得なメニュー、お子様向けのメニューを用意するのがよいでしょう。
また、車で行けたり、駅から濡れずに入れるお店、というのも家族連れが重視する要素です。
雨に濡れない駐車場を設置したり、駅から直結するお店などはそれをアピールするのもよいでしょう。
雨宿りしたい時
突然雨が降った日や傘を忘れた時、雨に濡れてちょっと乾かしたい時など、雨宿りをしたくなりませんか?
そんな時は、近くにあるお店でひと休みすると思います。
家からわざわざお店を目指して来てもらうというよりは、通りかかった人に来店してもらうという方法です。
そういった人は、初めから雨宿りをしようと思ってはいないことが多いです。
「雨宿りしてはどうですか?」というメッセージを発することで、来店してもらう仕掛けが必要なのです。
そのためには、雨宿り用のサービスや宣伝物を作るのがよいでしょう。
タオルやおしぼり、ブランケット、傘のレンタル、靴乾燥機の貸し出し、ドリンクおかわり無料、お店の前に雨の日サービスの黒板を置くなどをしてはどうでしょう。
暇な時
雨の日は、予定がキャンセルになってしまうことがあります。そんな時に、一人で時間を持て余している人もいるはず。
通りかかった人に、「暇だしちょっと入ってみようかな」という気持ちになってもらうのもよいかもしれません。
一人客に来てもらうには、興味を引くことに加えて、来店のしやすさが重要です。
一人でお店に入るのが怖いという人は意外に多いです。
例えば、お得な晩酌セットを作るなど一人用のサービスを作って告知するとともに、「おひとり様OK」の張り紙をするなど、一人でも入れるということをアピールしましょう。
ここまで、雨の日のシチュエーションを考えることで、雨の日のサービスを考えました。
まとめると以下です。このような雨の日サービスを行うことで、来店してもらえるかもしれません。
- 感謝を伝える
- 特典プレゼント
- 家族向けクーポン
- お得なメニュー、お子様メニュー
- 駐車場
- 傘のレンタル
- 靴乾燥機の貸し出し
- ドリンクおかわり無料
- 黒板での告知
- 一人用サービス
- 一人来店可を知らせる張り紙
雨の日にでもわざわざ行くお店って?
あなたが雨の日にでもわざわざ行こうと思う飲食店とは、どんなお店でしょうか?
そんなお店になることができれば、雨の日でも困ることはないですよね?雨の日でも、満席になるようなお店を考えてみました。
予約の取れない人気店
予約が取れないような人気店は、雨の日でもお客様が途切れることはないです。
そんなお店は雨の日だからといってサービスをしなくても、お客様は来店してくれます。
ですが、そんなお店になるには話題性や技術など、たくさんの要素が必要です。まずは以下を考えましょう。
どうしても食べたい料理があるお店
雨の日でも行こうと思うお店というのは、「これが食べたくて仕方がない、雨だけど行こう」と思うようなお店だと思います。
そういったお店というのは、看板メニューのような、他では食べられない料理を提供しています。
私にも、たまにどうしても食べたくなるような料理がいくつかあります。
他にはない看板メニューを用意することで、雨の日でも決まった来店を得られるかもしれません。
また、雨の日にしか食べられないメニューがあると、そういったヘビーユーザーに対して訴求することができます。
雨の日にしか出さないメニューを開発するのもよいでしょう。
常連のお店
雨の日でも行くお店としては、常連のお店が挙げられます。
居酒屋など、店主と馴染みになっているような常連のお店というのは、定期的にお店に通っている人が多いです。
気軽に顔を出せますし、週に何回通うという習慣が出来ています。こういった習慣が出来上がると、雨の日でも来てくれる可能性が高くなります。
常連さんを作れるような業態のお店は、常連のお客様を作るような工夫をしましょう。
LINE@やFacebookなどで、お店の様子やメニューの紹介をすることで、来店を促進できるかもしれませんね!
まとめると、以下のようなサービスがよいかもしれません。
- 雨の日メニューを開発
- 常連を作る
- LINE@やFacebook
このように、雨の日にわざわざ行くようなお店を考えることで、雨の日に集客を集めるサービスを作れるかもしれません。
雨の日サービスの前にチェックすべきこと
雨の日に飲食店に行くシチュエーションや雨の日に行くようなお店を考えましたが、雨の日でも快適な飲食店とはどのようなお店でしょうか?
サービスの手段ばかり考えても、快適な環境を整えておかなくては、訪れてくれたお客様が不快に思う可能性があります。
湿度と温度
雨の日は湿度が高くなり、気温が下がります。
こういった環境というのは、じめじめとして、肌寒く感じます。
人が快適に過ごせる室内温度・湿度は、夏25〜28℃、55〜65%、冬で18〜22℃、45〜60%と言われています。
店内をこの温度と湿度に保っておくと、外から入ってきた時に気持ちよく感じます。
せっかく雨の日に訪れてくれたお客様には、気持ちよく過ごしてもらうためにも温度と湿度を保つようにしましょう。
店内の床の掃除
雨の日は店の床が濡れがち。濡れた靴で入ったり、傘を持ち込むことで、床に水滴がついてしまいます。
これを放置していると、滑りやすいですし、湿度が上がる原因にもなります。
床はこまめに掃除するようにしましょう。
店の入り口に床マットを敷いたり、傘袋スタンドを設置したり、傘立てを用意して、店内に傘の水滴が落ちないような工夫をするのも重要です。
傘の管理
傘立てを設置したときに実施したいのが、傘の管理です。
傘立てに立てた傘が間違って持っていかれたり、盗難されることがあります。
だからこそ、お客様のなかには傘の紛失を恐れて、傘立てに立てないという人もいます。
傘立ては、キーがついているものを利用するのがおすすめです。
あからさまな値下げはNG
雨の日だからといって、単純に値引きをするというのは、あまりよいものではないかもしれません。
周辺のお店も値引きをしている場合は、それよりも値引きしないと来店がなくなりますし、価格競争をするしかなくなるからです。
また、値引きをしてしまうと、通常価格の信頼性が下がってしまいます。
雨の日で値下げができるのであれば、晴れの日も値下げできるのではないか、晴れの日に行くのがばからしい、となってしまうのです。
そして、値下げを目的に来店する人はリピーターにはなりませんし、晴れの日には来ず雨の日割引ばかり狙ってくるようになります。
こういったお客様を集めても、利益を上げることはできませんので注意しましょう。
実際のお店の雨の日サービスをチェック!
実際に、世の中のお店はどんな雨の日サービスをしているのでしょうか?
現実に行われているサービスというのは、一定の成果を上げているからこそ行われているのですし、参考にすべきです。
雨の日プレゼント
雨の日に訪れたお客様に、プレゼントを渡すというのもポイントです。
このプレゼントは決して高いものではなく、ちょっとした工夫で渡せるようなものが多いです。
また、お店で提供している商品をプレゼントするというのも、費用がかからないのでおすすめです。
限定メニュー
阿佐ヶ谷駅のアイスクリーム屋さん「ジェラテリア シンチェリータ」では、雨の日に限定フレーバーが出るそうです。
通常は行列ができるほどの人気店ですが、雨の日は客足が落ちるので、こういった雨の日対策を行っているそうです。
内容は日によって変わるため、すべてのフレーバーを食べてみたいというファンの心をくすぐって集客につなげることに成功しています。
このように、雨の日にしか食べられないメニューを用意するというのもよいでしょう。
1つサービス
お店のなかで原価の低いものを、プレゼントとして提供するのもよいです。
飲食店の中では、ソフトドリンクは単価が低いのでプレゼントにぴったり。
ラーメン屋さんだと、卵やのりなどのトッピング、大盛りがプレゼントしやすいでしょう。
雨の日だから1杯サービスということで無料で提供すれば、フードの方で高いものを頼んでくれる可能性もあります。
「返報性の原理」によって、お客様はお返しをしないといけない、と考えてしまうのです。
まとめ
この記事では、飲食店の雨の日サービスを考えてみました。
雨の日に集客するために、値引きをしたりクーポンを渡すというのも確かによいと思います。
しかし、お店の環境やホスピタリティを整えなければ、いくら値引きをしても収益を上げることはできません。
まずはおもてなしの心で、お客様が雨の日でも心地よく過ごせるようなサービスをすることが重要です。
お客様の気持ちになって、どんなサービスができるかを考えるのがおすすめです。
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